日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社
日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社は、先進的なデジタルテクノロジーと業界知識を生かして、お客さまの新しいビジネスモデルの構築やシステム開発など、あらゆる領域でのデジタル変革を支援しています。
2023年、香川県高松市に地方自治体、お客さまや地域の協力会社との共創を通じてDXを推進するIBM地域DXセンターを開設しました。IBM地域DXセンターは、日本全国そして世界の大規模システム開発やDXを促進するアプリケーション開発など様々な案件を手がけると共に、地域のDX人財育成や地域活性化への取り組みを通じ、地域経済の発展に貢献していくことを目指しています。
基本情報
企業名 | 日本アイ・ビー・エムデジタルサービス株式会社 |
---|---|
ご担当者様 | 執行役員 西日本DXセンター長 土本光恵様 西日本DXセンター マネージャー 池田修治様 |
本社 | 東京都中央区日本橋箱崎町19-21 |
香川県の立地場所 | 香川県高松市古新町8-1 高松スクエアビル6F |
香川県に立地した年 | 2023年7月 |
香川県に進出した経緯
日本アイ・ビー・エムグループは、2022年1月から全国にIBM地域DXセンターを展開してきました。コロナ禍にリモートワークを推進したことがきっかけとなり、地方から全国やグローバルなプロジェクトに参画できる場所を作りたいと考えたのです。
地方の企業に勤めている方は、仕事もその地域の案件に限られてしまいがちです。しかし、もっと様々な経験をしたい、複雑度が高いプロジェクト、最新技術に触れられるプロジェクトに関わり技術を磨きたいという方もいることでしょう。IBM地域DXセンターは、そのような方に機会を提供する地域の拠点。首都圏と関西圏を除く各地域に1拠点ずつ立地しており、香川県高松市は6番目の開設となりました。
香川県への立地の決め手となったこと
四国地方での立地場所を様々な視点で検討した結果、香川県が最も適していると総合的に判断しました。
災害の少なさや交通手段の多様さ、デジタル化施策などが後押し
1つ目は災害が少ないこと。災害が少ないというのは事業継続性の観点から非常に重要ですし、社員の安全の面でも重視したポイントでした。
2つ目は本州から空路だけでなく陸を使った交通の利便性が良いこと。岡山県からは瀬戸大橋を経由して車とJRで行き来ができますし、関西からは明石海峡大橋を経由して行き来ができます。
3つ目は、香川県が情報通信関連企業の誘致に力を入れていたことです。高松市も国のデジタル田園都市国家構想の推進交付金対象に選ばれ、デジタル化で市民の快適な生活を実現しようと機運が高まっていました。このような香川県や高松市の施策が立地検討のプラスに働きました。
香川県の事務所賃借料に対する助成金も、3年間から5年間に延長されたタイミングで進出の後押しとなりました。また、どんな相談ごとにも県や市の担当者が親身になり、柔軟に対応してくれたことも心強く感じました。
香川県からの支援内容
人材確保の支援
どこの企業も同じ悩みを抱えていると思いますが、新たに進出した土地には社員がいるわけでもなく、つながりのある方もいないため、取引先との関係構築や新しい人材の雇用に苦労します。当社の仕事はリモートワークも可能ですが、地域への経済効果という面から、香川県在住の方を積極的に採用したいと考えていました。自社努力での採用活動とあわせて、香川県就職・移住支援センター(ワークサポートかがわ)のマッチング支援も活用し、新たな人材を雇用することができました。他県から移住して入社した方もいます。費用面では、香川県の雇用に対する助成を活用予定です。
IT人材はシステム開発に携わると思われがちですが、仕事内容は、開発、保守、運用など多岐にわたっており、研修プログラムも充実しています。
豊富な研修制度に加え、社員による様々なコミュニティ活動や勉強会などを通じて、社員のスキルアップを支援しています。
香川県に立地してよかった点やメリット
社員のウェルビーイングの向上に寄与できたことが、香川県に立地してよかったと感じている点です。当社では年に1回エンゲージメントサーベイを実施していますが、ここで働く多くの社員から、よい職場であるとポジティブな回答がありました。社員の幸せにつながっているということは、雇用する側としてうれしいことです。それは香川県の住みやすさという点も大きいと思います。都市機能が凝縮されていて生活に便利。かつ自然が身近で災害も少ない。他社の例ですが、関西から高松に単身赴任していた方が、住みやすさから家族を呼び寄せて移住したという話もあるくらいです。
また、採用面接の際には「大きな仕事に携わるなら都会で就職と考えていたが、地方にも働き口の候補ができてうれしい」との声がありました。そのように魅力を感じてもらえる職場を提供できたことも成果の一つだと捉えています。
今後のビジョン
立地1年目の2023年には、「地域創生のための共創によるIT人材育成」イベントを、一般の社会人や学生を対象にした「IBM地域UiPath(ユーアイパス)人財育成プログラム*」の開始にあたってのキックオフイベントを高松市で開催しました。定員を大幅に上回る応募があり、反響の大きさを実感しました。今後もこういったイベントを開催し、地元のIT人材の底上げと”繋がり”に貢献したいと思っています。
2年目以降は、産学官の連携を進めて共創モデルを作っていきたいと考えています。地域の課題解決や活性化に向けて何に取り組むべきか。そのスタートから産学官で検討したい。それによって実のある取り組みができるとともに、新たなビジネスの創出にもつながると考えています。
*IBM地域UiPath(ユーアイパス)人財育成プログラム:日本アイ・ビー・エム株式会社とUiPath社による、UiPath Business Automation Platformを活用したDX人財、特にロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)技術者の育成のための学習カリキュラム。人材の新たなスキルの習得やスキルアップを実現し、地域ビジネスの活性化を目指している。