香川県内進出企業紹介

ショーワグローブ株式会社

ショーワグローブ株式会社は、1954年に世界で初めて塩化ビニル樹脂製オール被膜タイプの手袋の開発に成功した企業です。オリジナリティを追求する研究開発力を武器に、高い機能と品質を持つ手袋を製造しています。2021年、香川県坂出市 番の州臨海工業団地にニトリルゴム製使いきり手袋を生産する工場を建設しました。

基本情報

企業名ショーワグローブ株式会社
ご担当者様取締役副社長 田中祐一朗
坂出事業所事業所長 郷原裕文
本社兵庫県姫路市砥堀565番地
香川県の立地場所坂出市 番の州臨海工業団地
香川県に立地した年2021年着工、2024年運用開始
香川県での事業内容ニトリルゴム製使いきり手袋の製造工場

香川県に進出した経緯

当社は家庭用・作業用・産業用各種手袋の製造・販売をしております。昨今の世界的な安全意識の高まりから手袋市場は拡大してきました。国内のスーパーやホームセンターなどの量販店で販売するBtoC向け手袋から、各種産業の工場の現場で利用されるBtoB 向け手袋を取り扱っており、また広く海外へも販売を展開しています。

日本のニトリルゴム製使いきり手袋に関しては、国内には生産拠点がなくすべてを海外からの輸入に頼ってきました。

2020年のコロナ禍では、感染対策から使いきり手袋の需給が世界的に逼迫し、海外からの供給が追いつかない辛い状況を経験しました。そこで当社は手袋専業メーカーとして、ニトリルゴム製使いきり手袋の国内自給率ゼロの社会課題を解決し、安心・安全をお届けしたいと国内の新工場設立を決定。経済産業省の補助金を活用し国内で工場の立地場所の検討を開始しました。

*令和2年 サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金

香川県への立地の決め手となったこと

当社のニトリルゴム使いきり手袋の製造拠点には、「水・電気・ガスのインフラが揃っていること」「十分な敷地面積を確保できること」「本社のある兵庫県姫路市から近いこと」、3つの条件が重要でした。

豊富な工業用水

使いきり手袋の製造には多くの水が必要です。電気・ガスが整っている工業用地はありましたが、水が豊富な工業用地はなかなか見つかりませんでした。その中で番の州臨海工業団地は水・電気・ガスのインフラを備えた工業用地でした。香川県といえば、水不足に悩まされているイメージがあったので正直驚きましたが、ご説明によると香川県の家庭用水・農業用水・工業用水は早明浦ダムから供給されており、用途別に水量が確保されているため夏場も工業用水が不足することはないとのことで、安心いたしました。

甲子園2.5個分の敷地面積を確保

工場の敷地面積は97,000㎡で甲子園の2.5個分の広さです。当社には、「工場の敷地は拡張性を見越して用途の倍の広さを確保しておくこと」という創業の頃からの方針があります。番の州臨海工業団地は、拡張性を考慮した上でも十分な広さの敷地を確保可能でした。

本社や物流センターから2時間のアクセス

製造した手袋は、兵庫県三木市にある三木物流センターに集荷し、そこから全国に配送することから、工場と物流センターとの距離も重視していました。また、ドライバーの2024年問題の面からも輸送距離が短いことにこしたことはありません。番の州臨海工業団地から三木物流センターまでは車で2時間半、姫路本社からも車で2時間です。何か問題があったときにはすぐに駆けつけられる距離は当社にとってメリットです。

また、番の州臨海工業団地には港もあり、海外からの原料の仕入れを船で直接行うことができます。輸送におけるCO2削減も見込めると考えています。

香川県からの支援内容

用地獲得から建設までスピード感のある支援

香川県の方々のスピード感のある対応は心強かったです。2020年春に土地を探し始めて、夏には補助金の申請という時間のない中で、番の州臨海工業団地を使用できるように様々な体制を整えていただきました。

また、当社では日本での製造拠点の建設が数十年ぶりで、消防法の規制や耐震基準も手探り状態でした。香川県に関係機関をご紹介していただき、一つ一つ解決できたことで、スケジュール通りに進めることができました。建設の際も香川県と坂出市が連携して補助金などの情報を積極的に提供してくれたことにより、初期投資の負担も軽減することもできました。

人材確保の支援

当社は兵庫県姫路市に本社がある企業です。香川県には地元の学校とのつながりもなく採用活動は課題でした。人材の採用に関しても香川県に県内の高校での会社説明会の場を設けていただいたことで、地元の学校とのつながりができて新卒の方の入社が実現しました。その方々は今では現場でリーダーシップを発揮してくれております。

香川県に立地してよかった点やメリット

姫路の本社から香川県に転勤している従業員からは、香川県はとても住みやすい街だと好評です。工場の近くに住まいを見つけることができるので、渋滞による通勤ストレスもありません。街はきれいに整備されていて散歩していても気持ちがよいし、お店や飲食店も多く買いものに困ることもありません。魅力的な街であることは社員の仕事と生活のバランスが充実してやりがいにつながるのでとても重要です。

今後のビジョン

当社の商品は、お客さまにご利用いただき品質面や安全面から徐々に認知されて拡がっていく、息の長いものです。たとえば、当社には「グリップ」という手袋があります。30年以上前に開発した製品ですが、現在も多くの方に永年ご愛顧いただいている主力商品です。

この坂出の工場で製造する手袋も品質に加えて、国内生産という安心感を認知してもらいお客さまとの信頼を築いていきたいと考えています。そのようにして作り上げた信頼関係はそう簡単には崩れません。香川県坂出の地から、日本中のお客さまへ安心と安全をお届けできると確信しています。

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